老犬の幸せのためにできること
犬も人間と同じように歳をとります。歳をとると身体機能は当然低下してきます。大切な愛犬のために介護をしたい、でも、どのようにしたら良いのだろう?高齢犬が幸せに過ごすために何ができるかまとめていきたいと思います。
1.散歩に関して
愛犬がうまく体を動かすことができなくなってきます。そんなとき、歩くのが大変そうだから散歩はしない方が良いかな。なんて思って、散歩せずに済ませずに、ちゃんと時間をとってあげるようにします。 犬にしてみたら、散歩は1日の楽しい大切な時間です。本当に行きたくないと思っている場合もありあすが、動きが遅いだけで、大好きな散歩にいけなくて内心がっかりしている場合があります。 また、散歩をすることによって脳の活性化にもつながります。散歩中に他の犬と触れ合うことや、人とすれ違ったり、花の匂いを嗅いだり、空を見上げて綺麗だな、なんて感じるワンちゃんもいます。家の中にいるだけでは感じることのできない様々な刺激を受けることで、脳が活発に働きます。 無理やり運動させる訳ではありませんが、運動をさせないことで筋力もさらに低下してしまいます。寝たきりになってしまわないように、予防する意味もあります。
散歩はどのようにサポートしたら良い?
高齢になった愛犬の散歩をなるべく減らさずサポートしたい。どのようにサポートするのが良いのでしょうか。 もし、愛犬がまだ自分で歩くことができる場合、なるべく自分で動ける状態を維持できるように、引き続き適度な運動をさせ続けます。ふらふらとしているので、愛犬がよろけてしまったり、転んでしまいそうなとき支えられるように、体全体をすっぽり包むことのできるハーネスなどの着用をします。若い時と同じように首輪とリードで散歩を行う場合、もしワンちゃんが転びそうになったとき、リードを引っ張る方法でサポートするとワンちゃんは首がしまってしまう為、負担がかかります。 自力で起き上がることが困難なワンちゃんは飼い主さんが立ち上がるお手伝いをしてあげて下さい。起き上がれさえすれば歩くことができるようならば、なるべくその機能を維持できるようにします。起き上がらせるときに、いきなり持ち上げるとワンちゃんがびっくりしてしまいます。若い頃よりも嗅覚も聴覚も衰えていますので、飼い主さんが近くにいることを気がついていない可能性もあります。起き上がらせるときは「もちあげるよ」「いくよ」など声をかけてあげてからにします。 後ろ足が上手く動かせないワンちゃんは、後ろ足を飼い主さんがもってあげれば前足を動かして歩くことが可能な場合が多いです。後ろ足をサポートできるウォーキングベルトをつけて、散歩をするようにします。 サポートをしてもどうしても歩くことができない、そんな時は抱っこしてあげたり、カートに乗せてお散歩を楽しませてあげて下さい。たとえ歩けなくなっても飼い主さんとのお散歩は犬にとって1日の楽しみなのです。外にいって、様々なものを目にするだけでも嬉しい出来事なのです。足を引きずるそぶりが見られる時のサポート
足を引きずるそぶりが見られるときは、足を怪我しやすくなってしまいます。犬用の靴下を履かせてあげて、足を小石などから守りましょう。靴下は犬用のものも売っていますが人間の赤ちゃん用のものでサイズが合う場合もあります。 雨の為には防水加工のされた素材の靴下を履かせてあげるようにします。散歩中帰りたがったり、歩くことや階段を嫌がるときのサポート
散歩中に歩くのを嫌がる場合、怪我や病気なのか、それとも歩きたくないだけなのかを見極めることが大切です。足の裏や肉球の間に怪我がないか、咳や息切れがないかなどを確かめます。もし、咳や息切れが見られる場合には心臓病の可能性もありますので獣医の先生に一度見てもらた方が良さそうです。 特に怪我や病気が見当たらないようなのであれば、休憩を挟みながら、おやつなどをあげたり、リードで合図を出して散歩を促してあげるようにします。 また、あまり家から離れようとすると犬も不安になりますので、家の周辺の曲がり角を活用して、くねくねと曲がりながら家周辺で散歩を行うなどのコースを変えるのも良いかもしれません。散歩中・散歩前には何を気をつければ良い?
愛犬の様子を良く観察して散歩の時間やコース考えてあげる必要がありそうです。愛犬の帰宅後の様子を見て、ハアハアと床に臥せっていたり、ベタッと床に寝そべっているようであれば無理をしているかもしれません。 また、散歩中はこまめに水分補給ができるように水を持ち歩くようにもしておきます。特に気温が上がってきた頃には熱中症にならないように気をつけます。 暑さ、寒さの調整は愛犬が若かった時以上に敏感になってしまっているので、負担にならないように気をつけてあげる必要がありそうです。 夏場であれば暑い時間帯ではなく涼しくなってから、寒い時期でしたら家でウォーミングアップをして体を温めてから出かける、または日中の温かい時間帯に散歩に行くなどの工夫をすると良さそうです。2.食事に関して
ご飯はワンちゃんにとって、散歩同様とっても嬉しいことです。高齢犬のご飯の量ですが、減らしてしまっていませんか?運動量も減ってしまって、代謝が落ちてしまって太りやすくなった愛犬を心配してご飯の量を少なくする飼い主さんもいらっしゃるかと思います。 しかし、食事量を減らしてのダイエットは犬にも負担がかかってしまします。食事量を減らすと、筋肉の元となるタンパク質も、体を動かすエネルギーの精製量も減ることになります。 そうすると、健康を保つ為の体の組織を動かす力を維持できにくくなりますので、病気にかかりやすくなってしまします。 それなので、食事の量ではなく食事の内容を変えてみるようにするとワンちゃんに負担がかかりません。具体的には脂質を抑えた食事や、タンパク質の豊富な食事に切り替えます。獣医の先生に診てもらえれば、愛犬の状態や食事内容についてアドバイスを貰えますので、相談して適切な食事にすると良いかもしれません。
ご飯の時にはどんなサポートをしてあげれば良い?
ワンちゃんが高齢になると、ご飯に反応を示さなくなったり、ご飯を食べる姿勢が保てない、ご飯を噛めない、のみこめないなどがありますよね。 ご飯が目の前にあっても反応しないのでお腹が空いてないのかな?と思ってご飯をあげなかったりってことのない様に気を付けたり、ワンちゃんが食べやすい様な柔らかいご飯を用意したり、ワンちゃんが食べやすい姿勢になるようなサポートが必要だったりします。柔らかいご飯に切り替えるタイミングは?
犬がご飯を食べづらそうにしている場合は柔らかいご飯に切り替えてあげると犬は美味しくご飯を食べることができます。ご飯を食べづらいのか、そうじゃないのかは、犬の舌がきちんと機能しているかそうじゃないかで判断することができます。具体的には水を飲む様子を見ているとわかりやすいです。犬は舌で水をすくって飲みますので、若い時同様に綺麗に水を飲むことができていれば大丈夫だと言えます。もし、舌で水をすくっているのに水が減っていなかったり、水が周りに溢れてしまっている様でしたら、食事の際にも食べづらさを感じている可能性が高いです。水の飲み方を観察して柔らかいご飯に切り替えるタイミングを見計らうと良さそうです。ドライフードをふやかして食べやすいご飯
ご飯を上手く噛めない、飲み込めないわんちゃんには硬い食べ物ではなく柔らかい食べ物をあげるようにします。手作りで柔らかいご飯をあげたり、ドッグフードを柔らかくしたものをあげるようにします。ドッグフードはお湯を入れふやかしたら、その後すぐに食べてしまえば品質の問題はありません。 【ドライドッグフードを柔らかくする方法】 1.ドライフードを容器に入れます 2.ドライフードの上からお湯をかけます(温度は最終的に人肌くらいの温度になるとワンちゃんは喜びます) 3.すりこぎなどで粒がなくなるようにペーストにします。 柔らかいご飯をあげるときに、もしスプーンなどですくってあげるのであれば、犬は硬いものを口に入れられるのを心地よいと感じませんので、シリコンなどの柔らかい素材のもので食べさせてあげるようにすると良さそうです。犬が食べる姿勢を保てないとき
食事のための姿勢を自力で保てなくなってきてしまったら、犬の体勢を飼い主側でサポートしてあげます。ふせの体勢にしてあげてからご飯を促すようにしたり、犬用の食事台を購入、作ってあげるなどをします。 胃の位置が口よりも下になるような体勢にしてあげることが大切です。ご飯に気づかない・食べないとき
ご飯を目の前にしただけで目をキラキラさせていたなあ…と昔の姿を思い出す飼い主様もいらっしゃるかと思います。ご飯を目の前にしてもご飯に気づくことのないワンちゃんを見て、どうして良いのか。そんなときはご飯を口元までもっていってあげると、ワンちゃんはご飯に気づいてくれます。犬は嗅覚でご飯か、食べられないものかを判断します。嗅覚が歳をとるごとに衰えてしまっていて、ご飯に気づくことができないのです。口元までご飯を運んであげましょう。そうすることでワンちゃんはそれが美味しいものだと気づくくとができます。もし、口元までご飯を持っていっても食べない場合、歳をとることによって嗜好が変わったのかもしれません。改めてワンちゃんの好きなものを探してみるのも良いかもしれません。自分で水を飲めない時のサポート
ワンチャンんが自分で水を飲むことができない場合、飼い主さんがワンチャンに水をあげます。食事のときと、時間を決めてこまめに喉が渇いていないか確認してあげる様にします。100円ショップでも購入することのできる、先の細ながくなったタイプのドレッシングを入れる容器はワンちゃんの水をあげるのに便利です。3.愛犬とのコミュニケーションに関して

4.寝たきりの愛犬のサポート

5.しつけに関して

6.高齢犬の認知症
認知症の高齢犬とどのように付き合っていけば良いでしょうか。また、認知症を予防するためにはどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。
認知症に見られる症状
1.異常に食べるし、どんなものを食べても下痢もしない 2.家具の間に入ってしまった時に、後ろ歩きで抜け出すことができない 3.自分を中心としてくるくる動き回る様になる 4.嗅覚のみが異常に敏感になっている 5.持続的にぼーっと立っていたり、異常な姿勢で寝ていることがある 6.夜中から明け方の決まった時間に鳴く、飼い主さんの指示にも従わない。 7.他の動物にもそうだが、飼い主さんにも反応を示さない。 8.しつけで覚えたことを忘れてしまっている。7.認知症の高齢犬との付き合い方
異常に食欲が沸く
認知症のワンちゃんの場合、食べたことを忘れてしまったり、脳の働きの衰えにより、満腹中枢が正常に働かなくなってしまう場合などがあります。ご飯の量自体は適量を準備して、回数をこまめに変えてあげるとワンちゃんも満足しやすくなります。家具の間に挟まって後ろ歩きで抜け出せない
後ろ向きで歩くというのは、ワンちゃんにとって中々頭を使う作業の様です。認知症になると脳の機能が衰えてしまいますので、後ろ向きに歩くという動作が難しくなります。家具の隙間をうめたり、スポンジやマットで道を塞ぐなど、ワンちゃんが隙間に挟まらない様な工夫をするようにします。くるくると回りだす
認知症になると自分を中心としてくるくると意味もなく歩き回る様子が見られます。やめさせようとしても大きな声で鳴くなどの対抗手段を取ろうとすることもあります。なにかにぶつかってしまって、ワンちゃんが怪我をしてしまったり、家具の間に挟まってしまって出られなくなって鳴き出したりしないように、家具の隙間を埋めたり、マットなどを敷いてあげて転んだりぶつかったりしても怪我をしないように工夫すると良いかもしれません。くるくると回ること自体には害はありませんので、気がすむまで回らせてあげると良さそうです。夜中に動きだす
昼間は食事の時間以外はずっとぐっすりと眠っているのに夜中にウロウロと動きだしてしまったり、鳴き止まなかったりすることがあります。昼間うとうとし始めたらなるべく構って起こす様にしたり、真夏の暑い日以外は昼間太陽の光を浴びせるようにすると体内時計のバランスが良くなることがあります。鳴き止まない
夜中ではなく、普段の生活でも鳴き止まないことがあります。不安だったり、体が痛い、体が濡れたなど、トイレに行きたい、お腹が空いた、寂しい、など不愉快なことがあって、それを訴えていることがあります。何かに対して訴えることがあって鳴いている場合にはその要求に答えてあげたり、不快に感じている原因を取り除いてあげます。 ご飯やトイレ、添い寝、ポンポンなど、対応をしたにもかかわらず鳴き続ける場合には病気の可能性も考えられますので、獣医の先生に診てもらうようにします。鳴き続ける原因が病気なのであれば、治療することを通して、原因を排除します。 EPAやDHAのサプリメントで症状を軽くすることができる場合もありますし、必要に応じて薬を出してくれることがあります。また、生活リズムの乱れがどうしても治らないときも先生に相談すれば、お薬の力を借りることもできます。8.認知症の予防
散歩のコースを定期的に変える
認知症の予防には脳に刺激を与えてあげることが大切になります。毎日同じコースをあるくのではなく、いつもと違うコースにするなど、ワンちゃんが見る景色をマンネリさせないようにしてあげます。飼い主さんとのスキンシップ
愛犬の不安やストレスも認知症の原因と説く先生もいます。普段からスキンシップをとるようにします。また、愛犬が年をとってできないことがいっぱい増えてきます。内心落ち込んでいますので、できることをさせてあげて、たくさんの褒める機会を作ってあげることが大切です。愛犬が沢山の幸せを感じることが認知症予防になります。外出をする
散歩ではなく外出も認知症予防になります。他のワンちゃんとのコミュニケーションや、普段と違う景色を見ることで脳に刺激がいきますので認知症予防につながります。外出するときは愛犬の健康状態や様子を良く観察して、無理をさせない範囲で外出するようにします。近くの公園やドッグランに行くのも良いかもしれません。おもちゃをあげる
知育玩具と呼ばれる頭を使うおもちゃがあります。通販サイトで簡単に購入することができます。頭を使いながら遊ぶおもちゃなので脳の老化防止に役に立ちます。食べ物で予防を行う
脂肪の摂取を多くするのは良くありませんが、適度な脂肪は必要になります。脂肪は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は肉類に多く含まれる脂肪で、沢山摂りすぎることで肥満になってしまったり、動脈硬化などの症状を引き起こしやすくなります。飽和脂肪酸は中性脂肪やコレルテロール値をさげてくれる役割があり、鯖やイワシなどの青魚に多く含まれます。不飽和脂肪酸の種類のひとつに、オメガ3脂肪酸という脂肪酸があります。この、オメガ3脂肪酸が脳の活性化に役にたつと言われています。オメガ3脂肪酸はDHA・EPA・αリノレン酸が良く知られており、イワシなどの青魚や、エゴマに含まれています。亜麻仁油や緑黄色野菜、くるみにもふくまれていますので、ドッグフードをつかった手作りごはんのメニューにこれらの食材をまぜながら作ってあげると良い予防になりそうです。 また、食事での認知症予防では、活性酸素を抑える食材を入れるのも良い予防になります。犬はストレスを感じると体内で活性酸素をつくります。この活性酸素は増えすぎると血液を錆びさせてしまったりと、老化を早める原因にもなります。この活性酸素を抑えるためにはビタミンCやβカロテンなどの抗酸化物質の摂取が有効です。この抗酸化物質は、にんじん・ブロッコリー・トマト・さつまいも・じゃがいも・いちごなどがあります。ビタミンEやポリフェノールも抗酸化物質を含んでいます。9.まとめ
